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LIP NEWS

KocoLabo  株式会社APT 

【連載】第14弾:物流自働化・注目機器の新ショールーム「KocoLabo」いよいよ本格オープン!!海外製品もつなぐAPTの”ガレージ研究開発拠点”~物流インフラプラットフォームNews~


こんにちは! シーアールイー(以下CRE)のマーケティングチームです。この大型連休はみなさま、いかが過ごされましたでしょうか?

さて今回取り上げるのは、このLIPニュース第5弾でも取り上げたロボットストレージシステム“Hive”(ハイブ)ほか、先進物流設備が稼働する、㈱APT(アプト)の新ショールーム兼研究開発拠点「KocoLabo(ココラボ)」が、ついに本格オープン! という大ニュースです。

自動倉庫リニューアル、倉庫設備・システムインテグレート事業を手掛けるAPT社は、CREのLIP(物流インフラプラットフォーム)の一員。同社は5月10日、人手不足や持続可能性など物流業界の課題解決に貢献するため、海外製の自動倉庫システムやマテハン機器の国内最適化に向けた研究開発拠点兼お客様も見学ができるショールーム「KocoLabo(ココラボ)~ココロをつなぐSolution~」の開所式を行いました。

本ラボは、国内で初めてフルスペックの3Dロボットが稼働するシャトル自動倉庫Hiveのほか、AGF 、パレットシャトル、シャッターアソートシステムなど注目物流機器の稼働状況を見られるショールーム機能に加え、お客様と共に一歩先のソリューションを追求する実践型研究開発拠点の役割を兼備。同社が扱う海外製物流機器はコスパに優れているので、国内でも多くの企業が取り扱いを始めています。実は、それらを国内の従来設備とつないで連動させるには相当な技術力が必要で、簡単ではないのです。ところが! 独自の物流システムエンジニアリング力を持つAPT社では、機械制御の本質レベルまで食い込んでシステム機器同士のコネクトを可能にし、低コスト・高パフォーマンスの物流自動化をご提案できるというのです。いったいなぜ、そんなことができるのか? ここでは皆さんに代わってインタビュアーのキクタが話を掘り下げ、その核心に迫ります。ぜひご一読を!

自動化機器とココロをつなぐソリューション

―― APTのショールーム・研究開発拠点「KocoLabo~ココロをつなぐSolution~」には、「心(KOKORO)」のこもった、人や物への想いを込めた「研究所(Laboratory)」にしたい/お堅い研究所のイメージを変え、人に寄り添い、もっと身近で楽しくワクワクする空間にしたい…という想いが込められているそうですね。改めて本ラボ設置の背景と狙いを聞かせてください。

井上 ー いま物流業界においては、労働人口が減少を続けるなか、コロナ禍でネットショッピングが拡大して物流需要が増加し、人手不足が大きな課題となっています。多くの物流企業では業務効率化や生産性向上、コスト削減などの対策を強化していますが、すでに人手不足に直面し、事業の持続可能性が課題となっているケースも少なくありません。

当社はこれまで、物流現場の高度化・効率化を支えるマテハン機器、なかでも自動倉庫を軸とした物流機器のエンジニアリングやシステムリニューアルなどの事業でノウハウを蓄積してきました。機器メーカーではないシステムインテグレーターの立場で、様々なマテハン設備機器をつないで一体として機能させる「TUNAGERU Integration(ツナゲルインテグレーション)」をコンセプトに掲げています。

株式会社APT
代表取締役社長 井上良太 氏

2018年くらいから、世界的な物流自動化ニーズを受けて海外でも自動倉庫やAGVなどの新製品開発がどんどん進み出しました。とくに中国では多くのメーカーが製品を出し、実導入も増えている様子でした。日本製品に比べ価格競争力があるので、当社でも使えないかといくつかトライアルで中国の物流機器を購入してみました。ところが、やはり市場環境や技術・発想、さらに安全規格のレベルの違いなどが大きく、日本市場にもってきてすぐに使えるわけじゃない、という現実に直面しました。

しかし当社は先述の通り、これまで様々なメーカーの開発した自動倉庫のシステムをリニューアルするなどエンジニアリング力を磨いてきたので、普通ならブラックボックスで手のつけようのない機器中枢の制御システムなど、内部まで入り込み、あるいはセンサなどのパーツもより機能の高いものに付け替えるなどブラッシュアップの工夫を重ね、外観は同じでも日本市場の求める高機能・高精度の物流機器に生まれ変わらせることができたんです。そんな会社はほとんどなく、海外製品の導入に悩む他企業から相談を頂けるようになったので、今では海外製品とのつなぎだけの仕事にも対応しています。

こうしたチャレンジのために必要だったのが、地道なトライを繰り返せる研究開発拠点で、ココラボの出発点もそこにあるのです。合わせて、日本市場に最適化した海外メーカーの自動化機器の稼働状況がいつでも見られるショールームとし、お客様に機能を体感していただこうと考えました。こうして国内のお客様に安心してご利用いただける、低価格でも高機能な独自のソリューションを提案し、「TUNAGERU Integration」の真髄である、人×機械、機械×機械、企業×企業……といった様々なコラボレーションや、機器とシステムのつながりを体現する場所として、このラボを機能させていきたいと思っています。

株式会社APT
取締役 ソリューション開発本部長

小杉 直人 氏

小杉 ー 他社のラボやショールームにない特徴だと思うのは、海外製品をただ持ってきて見せるだけでなく、そこに手を入れる我々ならではの技術力で「APT式」に改造した状態でご覧に入れられること。「A-PIT」と呼んでいますが、実験や開発のできるガレージエリアを一角に設けていて、文字通り現場チックな、泥臭い取り組みをここで実際に行っています。そしてバースの上は完成品の稼働状況が見られるショールーム。この2つの側面をもつことが、KocoLaboだけの強みだと思います。

井上 ー 他社のショールームでは基本的に、そのメーカーの機器ばかり組み合わせて展示しています。しかし内外の様々なメーカーの機器が連動しているシステムを見られるのは当ラボだけ。最近は多くの会社が中国製品を取り入れていて、目にしたことがある方も多いと思いますが、当ラボの機器は一見同じでも、中身を我々が作り直して最適化してあるのが大きな違いです。 「海外製品は安い」と簡単に導入してしまう例は多いのですが、そのままでは日本のニーズに適合しないことが多いので皆さん、すごく苦労されていますね。また、顧客に納入して終わり、という会社もありますが、当社はメンテナンス部隊と、一部を除きほぼ全国をカバーするネットワークも持っているので、稼働後も責任もってアフターフォローできる強みがあります。

―― 海外製品は中国製がほとんどなのでしょうか。

小杉 ー 実際にはどの国の製品であっても、我々にこだわりはないんです。ただ欧米メーカーは制御の中身までさわらせてくれないことが多く、現時点では価格も含め、結果的に多くの中国製品を扱っています。

ロボット自動倉庫、AGVがすでに稼働

―― KocoLaboでは、本格開所の前から3Dロボット自動倉庫やAGVなど一部設備が稼働し、見学も受け入れてきたそうですね。

井上 ー 研究開発用設備の第一弾として、当社のロボットストレージシステム「Hive」のシャトル、リフター、コンベヤを連動したフルスペックモデルとした「Hiveゾーン」が完成し、稼働を開始しています。これは「前後・左右・上下の3D作動」を実現したケース搬送ロボットの国内初の設置事例となります。倉庫内の様々な既存設備やシステムとの連携が可能な、汎用性に優れたAPT開発のソフトウェアを搭載しており、作業効率・保管効率の改善など、課題や目的に合わせた導入が可能です。

―― 「Hive」はいわゆるシャトル自動倉庫に見えますが、「3D」とは文字通り、横にも縦にも動ける…?

小杉 はい。普通のシャトルは前後の水平移動だけですが、8輪をもっているので左右方向にも横移動して違うレーンに移動できる点と、搬送するコンテナではなくロボット本体がリフターに乗って垂直移動し、異なる階層もカバーできる点が違います。つまり1台で、ラックのすべての棚間口にアクセスし入出庫できるわけです。AMSさんの事例(※1)では垂直移動まではしていませんでした。

(※1)記事リンク:第5弾「自動化実現で“アパレル業界課題” 解決に大きな前進!AMS × APTのシャトル式自動倉庫」

KokoLabo設置のHive前景と横移動するロボットシャトル

井上 ー Hiveの中身もブラックボックスでしたが、当社でソフトウェアを組み直し最適な制御で精度が出せるようにしました。シャトルロボットは中国製ですが、当ラボの設備ではラックもコンベヤも日本製品を使っています。最適な製品をチョイスし、組み合わせて稼働させ、実験も兼ねて動かしているんです。外観は他社が扱っている輸入品と大差なく見えるかも知れませんが、1つひとつの中身はまったく違ったものになっていて、日本のニーズに応える高い機能をもたせています。それを実証しながら、お客様に見て頂き、さらに磨き上げていく…それが当ラボにしかない機能だと思います。中国製品の導入に苦労したことがある方には、その価値が分かってもらえるはずです。 中国には今、実に多くの物流ロボットメーカーが出ていて、色違い程度のそっくり製品もたくさんあります。よく調べて見るとOEMで、結局製造元のメーカーは同じだったりする。なのでこれ以上品定めに迷うのはやめ、コミュニケーションを取ってラボで検証できる相手を選んで、どんどん前に進めることにしました。第2弾の研究開発設備としてAGFとパレットシャトルを導入したところで、現在相互連携を目指して最終調整を進めています。

―― このガレージエリア「A-PIT」にあるのが、AGFですね。つい数年前までの中国製品はデザイン的にも野暮ったい印象がありましたが、こちらはモダンに洗練されてますね! 誘導方式は、自律無軌道式のSLAM制御(※2)ではないようですが?

(※2)自律無軌道式SLAM制御:本体にカメラやセンサーを取り付けて制御する方法。

小杉 ー レーザー光をリフレクタで反射させて自分の位置を認識し、ガイドレスで走行します(レーザー誘導方式)。スリムタイプのAGVにフォークを取り付け、2段積み(1.6m)までできるようにしています。WMSほかほぼAPTの製品で動いているお客様の物流センターにすでにワンセット納品済みで、自動倉庫の出庫口から別棟の建物までのパレット搬送に活躍しています。洗練されたデザインのAGF

―― 次に、こちらがパレットシャトル。AGVと連動させるのですね。その特徴は?

小杉 ー パレットシャトルはまだA-PITで実験中の段階ですが、薄いシャトルロボットがパレットの下に潜り込み、リフトアップして搬送します。こちらも前後だけでなく左右の横移動が可能で、パレットラックの最下段で、パレットの下をくぐって通路間移動ができ、縦横無尽に動けるのが大きな特徴です。面白い使い方ができると思います。

パレットシャトルはパレットの下に潜り込み、移動・搬送できる

―― こちらにはシャッターアソートシステムもありますね。

井上 ー はい、以前から国内メーカーと一緒に開発・販売しているおなじみの製品です。こちらは我々が設計して作ってもらい、APTブランドで売っています。基本的な機構は従来製品と変わりませんが、ピッキングの完了したコンテナを、今までは人が奥に押し出して出庫コンベヤに載せていたのを、ロボットが引き取ってコンベヤまで自動搬送する仕組みを開発中です。最近日本市場でも知られるようになった、クイックトロン社のCTRという製品を採用する予定です。

シャッターアソートシステムと連携するクイックトロン社のCTR

つないで、まとめる本格物流インテグレーター

―― KocoLaboの狙いと他にないその価値がよく理解できました。これだけ人手不足と需要拡大で物流自動化ニーズが高まる中、海外にも機器メーカーが続々登場し、ユーザーの選択肢は爆発的に増えている。だから安いものを買ってきて、すぐ使えるか…というと、簡単ではない。ハードとソフトが容易につなげないし、品質も違えば思うような制御もできない。

そこに、APTの「TUNAGERU Integration」を体現したKocoLaboが登場! ユーザーの困りごとをこのラボで検証しながら、つないで・まとめ、一緒に解決してくれる…まさに時代が求める、国内では稀有の、柔軟かつ本格的な物流システムインテグレーターになれるのではないでしょうか。

井上 ー ありがとうございます、なんだか元気が出てきました(笑)。

―― 本格オープンしたラボと、貴社全体の今後の展望、目標を聞かせてください。

井上 ー ラボに投資した以上はしっかり収益を上げなければなりません。まずはHiveを伸ばし、次にはパレットシャトルを伸ばしていきたいと思います。当社は自動倉庫のシステムから発展してきたので保管系が得意なんです。しかしAGVほか新しい技術もどんどん出てきますから、良いものがあれば迅速に取り込んで最適化できるよう、余力を残して進めていきます。

―― CREのLIPの一員としては、CREの物流拠点に入居されるテナント各社に対して、LIPがインフラプラットフォームとしてもつ総合力(WMS、ロジスティクスシェアリング、人材採用支援、車両マッチング、土壌環境保全…などなど)に、APTの物流自動化、つなぐシステムインテグレーションの力を連携・連動させることで、お客様にさらに新たな価値を提供する、という役割が期待されますね。

井上 ー 大変重要なポジションにあると思います。力をつけるほど役割は重要になるので、ご期待に沿えるよう頑張ります。

―― 最後に読者の皆さんに向けて、KocoLaboではどんなお客様のどんな悩みにお応えできそうか、改めて聞かせてください。

井上 ー 広く物流現場作業の自動化を検討しているお客様、まだ自動化できていないが何とかしたい…とお考えのお客様に来ていただければと思います。従来のメーカー各社のショールームにはない価値を実感していただけるはずです。

小杉 ー 物流で何か困っていることがあれば、ともかく気軽に来てください。今お使いの物流機器を有効活用しながら、新しい機器をつなぐ解決策をご提案できるのが、APTならではの強みだと思います。我々なら海外でも国内でも、どのメーカーの機器でもつなげるんです。

実際にそうした開発、実証、カスタマイズなどの調整を行うのが、ガレージエリアのA-PIT。エンジニアが常駐し日夜汗をかく、まさに泥臭い現場そのものですが、これによって導入からアフターフォローまで実感していただけるのが、KocoLaboだけの特徴と思います。

―― 最初はガレージからスタートアップし、伝説のサクセスストーリーを生み出した企業があるように、分野と規模は違え、このKocoLaboガレージから、「つなげるインテグレーション」で新たな価値を孵化させ、新たなストーリーが始まるかも知れませんね。本日はありがとうございました!

「KocoLabo〜ココロをつなぐSolution〜」の概要と開設経緯

所在地千葉県習志野市茜浜3-7-2(Landport習志野 1階 PoC習志野Hub内)
目 的昨今の物流課題解決に向け、成長著しい海外メーカーの物流機器を、独自ソフトウェアによる制御テストなどを通して国内の事業者が安心して利用できる低価格・高機能な独自ソリューションとする研究開発を行うとともに、多様な自動化設備の稼働・連携状況が実機で確認できるショールーム機能を果たす
開 設2021年9月に開設、2022年5月に下記設備を稼働させフルオープン
稼働設備3Dロボット自動倉庫 Hive、パレットシャトル、AGF、ゲートアソートシステムほか

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企業株式会社APT

執筆者 菊田 一郎 氏 ご紹介

L-Tech Lab
代表 菊田 一郎 氏

1982年、名古屋大学経済学部卒業。83年流通研究社入社、90年より月刊「マテリアルフロー」編集長、2017年より代表取締役社長。2012年より「アジア・シームレス物流フォーラム」企画・実行統括。06年より東京都中央・城北職業能力開発センター赤羽校「物流の基礎」講師。著書に「先進事例に学ぶ ロジスティクスが会社を変える―メーカー・卸売業・小売業・物流業 18社のケース」(白桃書房、共著)、「物流センターシステム事例集Ⅰ~Ⅵ」(流通研究社)、ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト「ロジスティクス・オペレーション3級」(中央職業能力開発協会、11年・17年改訂版、共著)など。2017年より大田花き株式会社 社外取締役(現任)。2020年6月1日に独立、L-Tech Lab(エルテックラボ、物流テック研究室)代表として著述、取材、講演、アドバイザリー業務を軸に活動開始。同6月より株式会社日本海事新聞社顧問、同後期より流通経済大学非常勤講師。

~物流インフラプラットフォームNews~ バックナンバー

第1弾亀山社長に聞く! 新しいCREグループが目指す未来とは!?
第2弾庫内作業の人手不足でお悩みの方必見! より多くの人員をより簡単に
第3弾過度な土壌汚染対策コストを圧縮し、物流適地の供給を推進する
第4弾冷凍・冷蔵業界の方必見!トラック保有台数の最適化でコスト削減を実現
第5弾自動化実現で “アパレル業界課題” 解決に大きな前進!AMS × APTのシャトル式自動倉庫
第6弾SmaRyu Postで実現へ! ”誰でも簡単に配達できる仕組み作り” への取り組み  CBcloud × 日本郵便の事例をご紹介
第7弾「提携倉庫」でデジタル化とシェアリング、 急増するEC物流需要に神対応!  塚本郵便逓送様の取り組み事例 [パート①]
第8弾三大都市圏に翌日配送! 富山の強み満開で 「出荷量倍増」支える新物流拠点に着工 塚本郵便逓送様の取り組み事例[パート②/BTS倉庫開発編]
第9弾庫内設備システム・配送・拠点選びまで 一気通貫で“物流の全体最適化”を提案!  ビジネスモデル変革から支援
第10弾コロナ禍の中、アパレル企業がオムニチャネル化・EC融合を推進! アルページュ、AMSとの共同でOMOの実践へ
第11弾 土壌汚染地を低コストで浄化・再生し、物流・商業施設に転換、CO2削減にも貢献! エンバイオHD・土地再生投資とCREのコラボで新たな価値創造
第12弾 CREの系列リート・各アドバイザー企業と一体で ロジスクエアの資産価値を一層向上 テナントのESG/SDGs経営を支援、GRESB認証も
第13弾100坪から1万坪まで全国にラインナップ、CREの倉庫マスターリースはココがすごい! オーナーにも借り手にも喜ばれる物流不動産サービス

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