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コロナ禍の人材マーケットを独自の視点で読み解く「2021年度下半期 採用市場大予測」

物流業界でも長らく課題とされている人手不足。今回は物流業界に限らず、人材マーケット全体の現状をお伝えし、2021年度下半期の予測を皆様にお伝えいたします。

1. 最新の採用市場の現状を把握

まずは、採用市場の現状を有効求人倍率から紐解いていきます。

有効求人倍率の推移

【ポイント】
・2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で長年髙止まっていた有効求人倍率が大幅に下落
・2020年9月1.03倍を境に横ばいモードに入り、なんとか1倍を維持する状況

都道府県別の有効求人倍率

【ポイント】
・最高は福井県の1.88倍、最低は沖縄で0.88倍。東京がワースト2の0.89倍
・コロナ禍が直撃した都市部は大幅に下落したが、地方部においては有効求人倍率が高止まっている。

産業別新規求人数の推移

【ポイント】
・全体では前年同月比+5.4%。最高は製造業の+39.3%。続いて運輸業など「ブルー系」産業の求人数が伸長
・一方で、宿泊業・飲食サービス業は未だマイナス基調。小売業も苦戦している。

就業構造/雇用構造

【ポイント】
・就業者数は6,692万人(前月比+25万人、前年同月比+22万人)
・雇用者は5,652万人、性器は2,376万人、非正規は2,075万人で非正規率は36.7%。

コロナ禍において、労働市場は一気に冷え込んだといえます。表面的に見ると悲観的になりがちですが、コロナ前までの回復とは言えないものの、長らく続いていた緊急事態宣言下においても少しずつ好転してきています。現に一部の産業や地方部では人手不足の様相も呈しています。
 コロナ禍で覆い隠されていたが、日本が抱える根本的な労働力減少問題が改めて顔をのぞかせ始めているフェーズと言えるでしょう。

2. 読み解くべきパラメータ

雇用関連PEST分析

「P」政治的要因

 ・2021年10月に過去最大級の最低賃金上昇
 ・働き方改革関連法案適用拡大

「E」経済的要因

 ・4~6月期GDP成長率1.9%
 ・企業業績はK字回復

「S」社会的要因

 ・ワクチン接種率37.4%(2021年8月15日時点)
 ・テレワーク推進ブレーキ

「T」技術的要因

 ・非接触等の技術開発・浸透
 ・AI、DX等を企業が推進

雇用/採用を刺激するプラス要因

需要サイド

 ・ワクチン接種→経済活動回復による求人増
 ・コロナ禍においても堅調、あるいは伸長する産業の人手不足

供給サイド

 ・厳格化された働き方改革法案による働き手一人当たりの労働リソース減
 ・地方部の有効求人倍率高止まりが示す、今そこにある構造的な労働力減少問題

雇用/採用を抑制するマイナス要因

 ・変異株の流行、ワクチン接種の鈍化など、コロナウイルス問題に光が見えない場合
 ・2021年10月過去最大級の最低賃金上昇による人件費の抑制

先行する米国経済

日本を含めたアジア各国に対してワクチン接種が先行していたアメリカでは、ワクチン接種と大型経済対策が功を奏し、個人消費が一気に伸びました。しかし現在のアメリカはワクチン接種が伸び悩み、経済状況も勢いを失っています。

 ただ、アメリカの事例から、ワクチン接種と経済及び雇用の状況が完全に連動しているという事実が認められます。

日本では第5波が落ち着きを見せ、緊急事態宣言も解除となりました。「ワクチン・検査パッケージ」が導入されれば、経済活性化へのカンフル剤になるとの見立てもあります。

3. 2021年度下半期の予測

2021年度も下半期に差し掛かりましたが、ここで3つの予測を提示します。

1. コロナ禍ではあるが、経済活動回復により人材確保への意欲は高まっていく
2. 構造的な労働力不足が課題となる中、どうやっても採用できないゲリラ的人材難が顕在化
3. 未来への不透明感から、長期間の直接雇用にリスクを感じ、採用に消極的になる企業が出てくる可能性

更に具体的な予測を5つ提示します。

1. 先行して回復している製造業・運輸業などの人材確保難はさらに進む
2. 地方部の構造的人手不足が深刻化(福井県などでは2.0倍を超える可能性も)
3. ワクチン接種が進み、都市部×サービス業×パート・アルバイト求人が復活
4. 上記の労働需要を満たすべく、ますます女性シニア活用が進む
5. 雇用リスク、突発需要を勘案したスポットワークや派遣、各種テックを活用した省人化・自動化の伸長

倉庫人材派遣センターでは、倉庫・物流業界の人材領域における課題を様々なサービスを用いて解決します。派遣センターサービスをはじめ、派遣のみならずパート・アルバイト等の採用サポートも可能です。

今回の記事はグループで保有している豊富な人材マーケット情報のほんの一部です。様々なデータに基づいて人材課題の解決をサポート致しますので、人手不足にお悩みの企業様、ぜひお気軽にご相談ください。

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